クラウドキャリアコーチが気になる①:金額設計と想定顧客についての考察

キャリア支援者向け

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クラウドキャリアコーチが気になる

タイムラインでこちらの記事が賑わっており、大変興味が湧きました。

総合人材サービス大手の「パーソルキャリア」と、クラウド1on1サービスを中心に企業向け組織開発を「エール株式会社」が提携し、個人向けの有料キャリア相談サービスを展開しています。

大手企業が、個人向けの有料キャリア相談サービスに参入してきた点で、いちキャリアコンサルタントとしては今後の流れが楽しみで仕方ないです。

尚、「クラウドキャリアコーチ」は、パーソルキャリアが運営するハイクラス人材向けプラットフォーム「iX」で提供されるとのこと。

キャリコンサルタントとして個人活動しており、かつ元人材紹介会社出身の身としては、気になるポイントも参考にしたい部分も本件を材料に考えたいことも数多あるので、備忘録として残しておきます。

クラウドキャリアコーチの気になるポイント

  1. 絶妙なお値段と回数
  2. 想定顧客は”ハイクラス”層
  3. Yellのコーチも気になる
  4. 利益はどう出していくのか
  5. 候補者の新規登録窓口としての役割
  6. 個人向けのサービス展開について思うこと
  7. 大手が参入”してくれる”ことについて

今回は①②について考えてみます。

先に述べておくと、企業がtoC向けの相談サービスで利益確保するのは相当難しいので、別の利益をあげる仕組みが必要なはずです。

結論的には、「月間2万円を自分のキャリアに投資できる人」を中長期的に人材紹介の場面で新規顧客にする「質の良い登録者の開拓」が見込まれてると思います。多分ね!!(保険)

尚、私個人の立場としては、大手参入賛成派閥です。

大手が個人向けサービスに参入してくるのは超ウェルカム!嬉しい!盛り上げていきたい!!裾野広がってほしい!!ありがとう大手!!

30分*4回、19,800円、約1ヶ月の絶妙な金額設定

すごく上手いと感じました。

というのも、個人向けの有料相談サービスって、本当に値付けが難しいんですよ。(やってみて分かったよ…。)

顧客層が「払っていい」と思える金額と、採算と、リピート率との兼ね合い。

法人相手でも指標の考え方は一緒なんだけど、個人が無形サービスにお金を払うためのハードルの高さはほんと半端ないからな!?

 

例えば、「1時間1万円・単発」の設計だったら、継続率落ちるんだろうと想像します。

週1ペースで4回やるからこそ、「これは有用だ」と感じられるんだと思うんですよね。

そもそも個人が有料でキャリアのことを第三者に相談する習慣がないからさ。

でも実際にやってみると、本当に良い部分を実感できると思う。

 

一般的な転職エージェントの場合、60〜90分の面談が平均的なんですが、その中では「ヒアリング、すり合わせ、市場の情報提供、求人紹介、今後の動き方」まで含めてまるっと行うからなんですね。

転職を前提にしていないからこそ、1回30分で話を聞くことができるんじゃないかと。

いわゆる、「重要だけど、緊急じゃない」ことにしっかり時間を割くイメージですね。

で、一度話しただけでまるっとすっきり解決するわけないのを前提に、計4回の設計であると。

うまいなーー。

1回30分なのは、Yellが提供しているクラウド1on1サービスが1回30分なのもあると思いますが。

想定顧客は”ハイクラス”層

第三者に相談料を払ってキャリア相談をする習慣が全くない中で、企業がターゲットにすべき層としては納得感が高い。

  1. 金額のハードル
  2. 新規獲得したい候補者(あとで書く)

金額設計上手いとはいえ、気軽に申し込む価格帯でもないんですよね。

そこがまた絶妙と思う理由の一つではあり褒めポイントなんですけども。

 

要は、自分のキャリアを考えることについて月2万払えるくらいの「ハイクラス」が顧客層です。

だから「iX転職」という、パーソルキャリアが運営するハイクラス転職サービスで提供するわけですね。

転職事例と掲載求人見る限り、ターゲットにしたいのは年収600〜1200万くらいの層なのかな。

 

パーソルキャリアって、一般的には「DODA」のサービス名の方が認知度高いんですが、こちらで大々的に提供しても、顧客層ずれちゃうんだろうなあと想像するなど。

あと②の獲得したい新規登録者層ともずれるのかなー、など。(あとで書く)

 

上述の「ターゲットにしたい層」については、どこに記事出してるか、DODAサイト内でも大きく提供するのかあたりのPR広報を追っていくことで見えてくるだろうからウォッチしたい。

大手様にはがっつり裾野広げてほしい派閥なので、ハイクラス層で一定の成果出てから裾野広げる動きになることを祈っている。超個人的に。

iX転職について

尚、「iX転職」は普通の人材紹介サービスのようですね。

おそらくDODAの人材紹介と異なるのは社内で担当するチームで、iXは「エグゼグティブ領域」とされる人たちかと。

管理職以上の求人を扱う専門チームですね。

ヘッドハンティングサービスを押してるから、最初はぱっと見「人材紹介会社向けの候補者データベース(複数の人材紹介会社から求人紹介がくるサービス)(ビズリーチみたいな感じ)」かと思ったんですよ。

しかし個人情報の取り扱いを見る限り、自社グループ内のみで完結してました。

ので、求人紹介はiXかDODAの中の人からしか来ないっぽい。多分。(保険かけとくけど自分で読んでね!)

パーソルのエグゼクティブ領域担当が自社のDB使って候補者探しから行う両面型であることを踏まえると、DODA登録よりiX登録のほうがエグゼ案件に合致する人材は多いんだろうな。

でもエグゼグティブ領域が持っている案件に合致するのは希少人材だから、自然登録流入に頼るだけじゃなくて、「希少人材の登録を促進していく」施策も必要なはずなのね。

月2万を自分のキャリアを考えることに投資できる人材の登録、ほしいよね。

 

ほとんど話しちゃった感あるけど、この辺は次回以降の「利益はどう出していくのか」「候補者の新規登録窓口としての役割」で改めて書いてみます〜。

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