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前回、「求人を紹介しないキャリア相談」サービスが増えてきたことと、それにまつわる自分の考えを述べました。
いちキャリアコンサルタントとしては嬉しい流れである一方で、新卒で転職エージェントとして働いていた立場からすると、「求人紹介をしない」ことを印籠のように掲げているなと違和感を覚えることがあります。
- 求人を紹介しないから、あなたの立場に寄り添えますよ。
- 求人を紹介しないから、第三者として意見をできるんですよ。
- 求人を紹介しないから、安心ですよ。
求人紹介をしないことと、キャリアにまつわる悩みに応えられるか否かは別物です。
具体的には、やはり「転職活動」や「労働市場」「キャリア構築の一般的ステップ」については、物足りなさを感じてしまうキャリア支援者もお見かけします。
専門性や得意分野の違いなのでそこは問題ないのです。
例えるなら、内科のお医者さんが「私は外科手術を前提としない診療をしてます!」と宣伝するようなものです。そこはシンプルに内科はこんな時においで!で良いのではとツッコミたくなるのです。
実際に「有料のキャリア相談(もちろん求人紹介はしない・できない)」をする中で、転職エージェントだったらここまでのことができるのにな、と感じることも度々あるため、今回は「離れたからこそ分かる、転職エージェントの価値」について書いてみます。
転職エージェントは「情報」を扱っている
転職エージェントの売り物は、情報です。
これは私が働いている時に叩き込まれた姿勢だというのもあるけれど、実際に、”転職エージェント”でなくなった今、喉から手が出るほど欲しくなるのものがまさに「情報」なんですよ。
- 企業の募集ポジション、人数、背景
- 選考結果の当落理由、面接官評価
- 採用に勢いのある企業、業界、業種
- 登録者の傾向、マーケット、温度感
- 特定企業からの流出があるかないか
などなど。
自社データベースはもちろんのこと、候補者を面談に呼び込むためのスカウトデータベースなんかもあります。そちらにもアクセスすると、特定のスキル・経験を持った人が市場にどの程度いるのかとか、転職検討のステータス推移とか、実際のキャリアモデルとか、その辺までアクセスできるわけですね。
企業側の動きとしても、自社取引があり応募実績や現時点で動いているポジションに対しては、「あと何名で採用充足する」とか「既に採用しているのはこのタイプだから、同じ”必須スキル”でも今は年齢若い方が通る」とか、そのくらい解像度の高い情報に日々接することができるんですよ。
別に自分が全部を担当しなくても、同僚に聞けば&定例会議などで情報共有もあるから、代表企業と市場の状態を常に広く把握できているのは、エージェントならではの強みだよなあと。
エージェントを離れてからというもの、このリアルタイムで詳細な情報は欲しくてたまらない。
候補者に合った「ポジション」を開拓できる
たまにやっていたのが、候補者ありきで企業に営業をかけて、「ポジションを開拓」すること。
どういうことかというと、候補者の経歴やスキルから、この企業でこういうことやったら、本人にとっても企業にとっても素晴らしいのでは!?という提案を行い、新規に採用するポジションを作ってもらう動きである。
既存の取引先に「ポジション作って!」と提案することもあれば、新規の取引先に「こういう方いるので、面接しませんか?」と持ち込むこともある。候補者本人の希望企業を聞いて、打診することもあった。
意外とするっと決まることも多いのだ。
相談者からお金をもらうキャリア相談をしていると、よく、このポジション開拓をしたい衝動に駆られる。
なぜなら転職エージェントでの面談時よりも、本人自身についての掘り下げをする比率が高いから、強みや指向性の理解が深まり、「あの業種やこの職種とか、むしろ**企業の▲▲とかドンピシャじゃないか!!!」と衝撃が走ることは多い。
現役の転職エージェントなら、企業に電話して即プレゼンし、新しく求人をもらってくる自信があるのに…!!!!
転職のゴールまで入り込んで携わるエージェント業を経験すると、やはり"物足りなさ"はあるのですよ。「企業担当から情報もらえて選考結果理由も把握できれば、ごりっごりの面接対策できるのにー!!」「くっ、結局募集人数は何名なんだい!?」「俺が求人開拓できれば…!!」等の思いが込み上げますw
— みゆきち|キャリアコンサルタント (@miyukichi314) January 2, 2021
具体的な「解決手段」に伴走できる
こと「転職活動」に関して言えば、初期面談から選考の伴走、内定・入社まで一貫して対応サポートするのが、転職エージェントなんですよ。
入社してもらうためにも使える情報を全て駆使してサポートするわけで、一度その流れを経験してしまうと、「キャリア相談」に対して物足りなさを感じることは正直ある。
本当はもっと、がっつり面接対策とかしたいもん!
しかしながら、正確かつ鮮度の高い情報が無いなかで、個社・個別ポジションの話はできない。
選考基準や選考結果理由を知らないため、正しい情報がないと間違った方向の対策をしちゃうかもしれない。
自分ができることできないこと、やってたし経験はあるけど今はしない方がいいこと、一般論まで抽象度高めるならやってもいいこと、なんかは意識的に分けています。
転職エージェントの活用法は伝授できる
現役の転職エージェントだからこ発揮できる価値は、たくさんあるのです。
使い方、タイミング、伝え方ひとつで、自分が転職をするときに「強い味方」になってくれるのが転職エージェントです。
個人の相談に乗るキャリアコンサルタントとしては、転職を考える2〜3歩前に来てくれたり、これから具体的に転職活動を始める直前に一度お話しできると「鬼に金棒」の支援ができます。
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