営業職からマーケターに転職したいのなら、職務経歴書はこう書こう!キャリアコンサルタントが教える職務経歴書の書き方 6つのコツ

転職

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皆さんは、「職務経歴書」を作成したことがありますか?
作成したことがある人の大半は、転職活動で必要に迫られて作成したかと思います。あれ、本当に大変ですよね。。。

とはいえ、転職活動における最初の壁となるのが書類選考です。そこで提出する「職務経歴書」は転職活動の「相棒」と言えるくらい重要です!

では、どうすれば良い印象を与える職務経歴書を作成できるのでしょうか?
挑戦したい職業が、未経験の職種や業界の場合は?
自分の強みやアピールポイントって、何をどう書くべきなの?

そんな疑問に、現役キャリアコンサルタントの筆者が答えます。
今回は「30代営業職が、未経験でマーケター転職を目指す」という設定で、職務経歴書作成のコツ・意識すべきポイントを、実際に添削しながら解説していきます。

筆者は過去、転職エージェントとして年間300名超の職務経歴書の作成をサポートしてきた経験があります。
中長期的なキャリア形成を目指して転職を考える人のお役に立てるよう、余すことなく知識を盛り込みました。

願わくば、新たなチャレンジをする人への一助になりますように!

今回の記事はアドビ社のPR企画「みんなの資料作成」に参加して執筆しています。

1. 未経験でも内定率アップ!職務経歴書は企業ニーズと自分の強みのマッチングを意識すべし

まず最初にお伝えしたいのは、未経験だからこそ、戦略的な転職活動が重要になるということです。
だって一番分かりやすいアピールである、「この仕事やったことあるからできるよ!」が言えないですからね。

さてここで、大前提の目標である「内定」について、2つの視点でざっくり図解しましょう。

①あなたができること
②企業が求めていること
この二つがより多く重なるほど、内定の確率は上がります。

要はこういうことです。

<内定の確率が高い>

<内定の確率が低い>

つまり、職務経歴書で強くアピールすべきは、この重なり合う部分についてです。


だから単純に「やってきたこと」を職務経歴書に全部書いて伝えようとするのではなく、相手が求めている人物像から逆算して、アピールを強める実績を考えていく必要があります。

未経験職種に挑戦する時に狙うポイント

  • 職種以外の共通項を探す
    業界が同じ、顧客層が同じ、商材が近い、など、「経験がある!」と言える企業の中から探すことで内定の確率が上がります。すでに”重なる部分”を持っているため、その点での貢献をフックに挑戦します。
  • 「未経験歓迎」「経験不問」で検索する
    裾野を広く募集している企業もあるので、積極的に探しましょう。ただ忘れちゃいけないのは、未経験歓迎を謳うポジションには経験者も応募します!
    「未経験(でも活躍の可能性があり求める他要件に合致すれば)歓迎」であることを踏まえ、「歓迎要件」の部分をしっかり自己PRに収めましょう。
  • 業務内容を分解する
    「経験1年以上」など、必須要件には年数で抽象的に記載されている場合があります。この年数が3年を超えたり、管理職経験が記載されてると厳しいですが、1〜2年であれば挽回の余地はあります!
    記載されている業務内容を分解して、部分的にでも似た業務経験がないか振り返ってみましょう。

ホップ・ステップ・ジャンプの考え方

今の経験からだとすぐに転職が難しい場合もあります。たとえば上記で図解したように、企業が求めるスキルと、転職希望者のスキルが重ならない場合がそうです。でもすぐに諦めるのはもったいない!ここまでの求人分析を通して、「どんな経験があれば挑戦できるのか」が分かっているなら、間に「必要な経験」を挟むという選択肢もあります。
営業→営業企画→マーケのような転職かもしれないですし、現職で担当する顧客群を変えたり、顧客リスト作成から携わって結果を作ったりして、営業職として書ける内容を増やしていく戦略もありえます。

このように書くべき内容を戦略的に構築することで、未経験分野への転職でも成功の可能性を高めることができます。

2. 「職務経歴」の深掘りポイントは「求人票」から探すべし

企業と自分のマッチングを意識できたところで、次は具体的にどの実績を掘り下げて書ければよいのかについて考えていきます。

自分が目指すポジションでは何が評価され、相手は何のために募集をしているのか?
その答えが詰まっているのが「求人票」なのです。
相手が求めていることが分かれば、答えは見えたようなもの!そこに近い自分の経験スキルを強調して、職務経歴書を充実させましょう。

「応募要件」をチェックする

応募要件には「必須要件」と「歓迎要件」の2種類があります。
特に深掘りしたい項目は、後者の「歓迎要件」の部分です。
いうなれば必須要件はスタートライン。歓迎要件は、あったら嬉しい!活躍しやすい!この部分が組織に足りてない!などのメッセージです。
自分の経歴の中に、これらの項目と重なる部分を見つけて強調しましょう。

「他社の求人」をチェックする

とはいえ、未経験の職種に挑戦する時は、「一般的に求められる経験」や「何ができたら1人前」なのかイメージが湧かないこともありますよね。だから1社だけではなく、複数企業のマーケティング職の求人もチェックしてみると良いです。

歓迎要件や業務内容など、求められる人材の共通項が見えてきます。

採用条件を細かく読むことで、自分のスキルや経験が、どれだけ業界標準に合致しているかがわかります。時には、自分が当たり前だと思っていたことが、実は強み/アピール材料だと気づくこともあります。

 

営業職から、マーケティング職へのアピール例

具体的には、営業職での下記のような経験は、マーケティング職でも求められます。切り口の一例として参考にしてください。

  • 顧客開拓の経験: 顧客のニーズ把握や市場分析の経験は、マーケティング業務にも有効です。営業で行っていた顧客開拓のアプローチをマーケティングに応用する方法をPRします。
  • 業界知識と現場感覚: 営業職での顧客との直接的な交渉や市場の理解は、マーケティング職での顧客洞察や市場分析に直結します。
  • タフな交渉経験: 営業職での予算獲得や社内外での調整能力は、マーケティング予算の運用や社内外とのコーディネーションにも役立ちます。

双方の業務理解を深めることで深掘りすべき点=自己PRとしても活用できるポイントが見えてきます。

例えば、こちらはChatGPTが作成した「マーケティング職の求人」の一例です。
ドンピシャな実務経験がなくても、使用経験がある「ツール」をPCスキルの欄に追記したり、チームの営業目標達成に向けた戦略や顧客分析の経験は書くと良さそう!といったヒントにもなります。

★以下のリンクで、こちらの求人を例に深堀りポイントを詳しく解説しています!

https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:AP:b15e2569-c165-4256-b1bc-8be3fb053d8a

3. 職務経歴書はサンプルを叩き台に65点を目指すべし

さて、企業との相性と、自分の経験の掘り下げポイントは、ざっくり整理できたでしょうか?
いよいよここからは、実際に職務経歴書の作成に入っていきます。
ただ、ゼロから職務経歴書を作成するのは、とてつもなく大変です。 なので作成の初期段階では、完璧を目指すよりも、まずは基本的な枠組みを作ることが重要です。

目指すラインは「妥協はあるけど一通り書ききった65点」です。気になるところは、後からブラッシュアップしましょう。その方が作業効率もよいです。
まずは、在籍企業名、在籍年数、業務名、業務経験年数などの項目を、淡々と書ききります。営業職ならば、年度ごとの売上実績や目標達成率がいくらだったかも確認しておきましょう。「事実」として感情を入れずに書けることから着手するのがコツです!

以下に、初期段階のポイントを紹介します。

  • サンプルを活用する:
    転職サイトから、自分の経験職種に近いサンプルをダウンロードしましょう。これらのサンプルは、職務経歴書のフォーマットや一般的な内容に加えて、どんな観点で書けばいいのか?の参考にもなります。
    複数職種の経験がある人は、基本的には現在の経験職種のものを選びましょう。直近の経験が一番評価されやすいためです。ただ、他の経験の方が圧倒的に長い場合はそちらのサンプルを土台に記載したほうが書きやすいです。現在のお仕事部分だけはそれに近いサンプルを一部参考にするなど、複数組み合わせて良いとこ取りをしてください。
  • 業務内容を箇条書きにする:
    業務内容を箇条書きで記入します。とはいえどんな切り口で、どんなことを書けばいいのか悩みますよね。
    サンプルに記載されている例を参考に、自分の実績や経験も同じ項目を入れ替えるイメージで埋めてみましょう。営業職ならば、顧客規模・担当顧客数・新規/既存顧客の比率など、「言われてみれば!」な記載項目があるはずです。

  • 65点の完成度を目指す:
    最初から完璧を目指す必要はありません。むしろ初回は「65点」の完成度こそ100点です!質よりも、書ききることを優先しましょう。

そもそも、職務経歴書作成はなぜ時間がかかるかというと、「考えて文章を書かなきゃいけない」ことが多いからなんですよ。気になってすぐ手が止まっちゃう。だからこそ、まずは叩き台を用意して、やってきた事実をとにかく文字に起こすことに集中するのです。考えるな、書くんだ!!

そして書き進めると、自然と頭の中が整理されます。当時の業務課題や、問題に対しての取り組みなども具体的に思い出せるはずです。
結果的に、面接時に話せる「ネタ」も増えるため、この時点で思い出したことがあれば、是非ともメモに残しておいてくださいね♪

4. 「昨対比130%」は評価されない!?実績は再現性を意識して書くべし

経験業務の要点が整理できたら、詳しい実績を記述していきます。
実績を記述する際は、単に数字を書くのではなく、数字の背景と意味を正しく伝え「再現性」を示すことが重要です。

なぜなら、各社で採用基準はさまざまあれど、採用側が考えていることは「この人はうちで活躍してくれるのか?」という一点に尽きるからです。

つまり異なる環境下でも、あなたが過去に発揮した能力を同じように活かせるのか、それをどう伝えるかがカギです。
たとえば「昨対比130%」といった”社内でしか凄さが分からない数字”は、受け手によって解釈が異なります。
純粋に「すごい!」と評価する人もいれば、「前年大ゴケで+ 20%くらいなら楽勝で達成できたのかもしれない」と、疑いの目で見る人もいるのです。
極端な話、数字を書くだけならなんとでも書けてしまいます。だから強調したい実績にはプロセス面で何をしたかも追記しましょう。その場限りの偶然ではないことを示すのだ!

実績の伝え方

まず実績の伝え方には、「絶対評価」と「相対評価」の2つがあります。

絶対値(絶対評価)の項目例:

  • 売上額: 個人またはチームで達成した具体的な売上額
  • 新規顧客数: 新規獲得した顧客の数
  • 契約数: 成立させた契約の総数
  • 市場占有率: 担当エリアや製品カテゴリーにおける市場占有率
  • プロジェクト規模: 担当したプロジェクトの規模や予算
  • 獲得リード数: 獲得した見込み客(リード)の数
  • 顧客満足度: 顧客満足度調査の結果やフィードバック

このあたりは、業界や扱う商材が近いほど、数字の事実のみで「再現性」を示しやすいです。たとえ応募する職種が未経験のマーケティングだったとしても、その会社には営業職もありますよね。「営業としての地力」や「どこまでやり切ってきたか」という部分は、応募先企業に転職後の活躍を十分に期待させることができます。

相対値(相対評価)の項目例:

  • 目標達成率: 設定された販売目標に対する達成率
  • 前年比売上成長率: 前年と比較した売上の成長率
  • 市場成長率に対する貢献度: 担当エリアや製品の市場成長率に対する個人の貢献度
  • 社内順位: 営業チーム内での業績順位、何名中で何位か
  • コスト削減率: 営業活動におけるコスト削減効果の割合
  • 市場シェアの変動: 担当した製品やサービスの市場シェアの変動率

順位ひとつとっても、「3名のうち1位」と「100名のうち1位」では全然凄さが違います。後者なら補足して書くべきです。また、「昨対比」のように、前年度の実績によって難易度が変わる指標もありますよね。とんでもない外部要因や市場の変化があった年の実績について書く場合には、どのような状況下での成果なのかを補足し、「実績の再現性」を正確に伝えましょう。最近の例で言うと、コロナで影響を受けた市場について同じことが言えます。

このように職務経歴書における実績記述は、これらの「絶対評価」と「相対評価」のバランスが重要です。

長々と書く必要はなく、強調したい実績と紐付けて2〜3行程度で書ければ十分です。工夫したこと、課題認識したこと、などの項目を実績欄の下に追加し、「なぜその実績を出せたのか」を説明するイメージです。
特にマーケティング職への転職を目指す場合、実績の書き方ひとつで数字への感度や理解もアピールできます。腕の見せどころくらいの気概でとり組みましょう!

 

5. 「職務要約」はChatGPTに任せるべし

職務経歴書の始めには、4〜6行(200〜300字)の範囲で「職務要約」を記載すると良いです。順番としては最後に、全体を書き終えてから作成することを推奨します。

口を酸っぱくして伝えていますが、書類を読むのは初対面の相手です。たくさんの応募書類を捌かなきゃいけない採用担当のこともあれば、通常業務の合間を縫って目を通している現場マネージャーかもしれません。目を留めてもらい、詳細の本文を読んでもらう必要があります。その「引き」としても大事なんですね。

そんな大事な文章、うまく簡潔にまとめられるだろうか…。

心配はご無用です。文明の利器を使いましょう。
AIです。ここはChatGPTの出番です!

要約作成に優れており、具体的な指示を与えれば、効果的な職務要約を作成できます。書き終えた職務経歴書を読み込ませた上で、「大学卒業後から現職まで、時系列順に300字程度で職務要約を作成して」と指示してみてください。各経験をバランスよく抽出した要約が出来上がるはずです。長すぎたり短すぎたりするのを防ぐため、文字数の大まかな指定も忘れずに!

出来上がりにちょっとした不満がある時は、何度か再生成をしてみましょう。
「2社目のマネジメント経験についても触れながら、再作成してください」
「1社目の経験は30%、2社目の経験は70%程度の比率で職務要約を作成してください」
というように、微調整することも可能ですよ。

AIを効果的に使うためにも、本文を書き終えたあと=ネタが豊富なタイミングで作成すると色んな指示も出しやすいです。

ただし、プライバシーには注意をしてください。社名やご自身の名前などの個人情報を含む部分は、Wordなどの文書処理ソフトで置換機能を使用し、読み込ませる前に伏せ字にすると安心です。

職務経歴書(After)

★ここまでの赤入れを反映した職務経歴書がこちらです。

https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:AP:c4421ba8-705d-4980-9da2-860702165170

6. 添削依頼をして、第三者の目を通すべし

最後の仕上げです!職務経歴書の完成度を高めるためには、第三者による添削がめちゃくちゃ効果的です。特に、以下のような人に添削を依頼することをお勧めします!

  • マーケティング職の経験者
  • 同僚や一緒に仕事をしたことがある人
  • キャリアコンサルタント
  • 転職エージェント など

求人票を読むだけではイメージしきれない実業務や、客観的に自分の強み/弱みを仕事上で分かってくれる人、さらにはキャリア支援や転職支援を専門としている人への依頼も適切です。

ここで注意点がひとつ!
職務経歴書は細々した情報が多く、たった一文字消してしまうだけで経歴や実績が変わってしまい、しかもその変化に本人以外は気付きにくいという側面があります。
当然最後に自分で見直す必要はありますが、添削依頼をする中で「うっかり編集されちゃった!」という事態は避けるに越したことはありません。
そこで私がおすすめしているのは、添削の段階からPDFに変換しておく方法です。
そして添削を受ける過程では、うまくツールを活用することでスムーズなやり取りが可能になります!
私のオススメは「Adobe Acrobat オンラインツール
ここからは、その活用方法も詳しくご紹介します。

PDFエディターで「PDFのまま」添削・修正をする

作成した職務経歴書のPDFをAcrobat オンラインツールにアップロードして、添削を依頼する人にリンク共有するだけ!メールアドレス指定で特定の人だけ招待したり、共有期間を指定することもできるので個人情報の塊である書類を扱う際も安心!
そして前述のとおり、PDFなら「あれ、一文字消しちゃった!?」なんてこともなく、「PDFの編集」機能を使えばブラウザ上でコメントや赤入れをしてもらうことができます。
わざわざダウンロードしてもらう必要もないので、スマートな依頼、そしてスムーズな操作が可能です。

また、PDFをメール添付で共有する場合は、「PDFを保護」機能でパスワードを設定し、セキュリティを強化しておくのがおすすめです!これは企業に応募する際にも役立つ機能なので、ぜひ覚えておいてくださいね。

元データがない!過去のPDFをWordに変換して再活用

職務経歴書を書いたことがある人も、過去に転職活動を経験して、その時に作成したのが最後、という人がほとんどじゃないでしょうか。
それなのに急に必要になるのもまた、職務経歴書の面倒くささであります。
前職分まで書いた書類、どこにやったっけ。。。そうだ!応募したときのメールに添付したものなら残ってるはずだ!!
そこで気づくのです。PDFであることに。
そう。元データは既に売り払ったノートPCの中にあったというか、その時データ削除した記憶が戻ってきたというか、まあクラウドにギリギリ残ってて良かったけどうわあ…という、あれです。

しかし!そんな時も凹む必要はありません!
PDF→Wordへの変換、すぐに出来ちゃうんですよ。
私もすごく驚きでした。

職務経歴書の作成はなかなか骨の折れる作業だからこそ、最後はしっかり仕上げの添削までして終えましょう。人に見せる気恥ずかしさはあるかもしれませんが、ここまで大変な作成をしたからこその一手間です!

 

まとめ

今回は「営業職から、マーケティング職への転職」への転職を例に、職務経歴書の添削を通して作成のコツをお伝えいたしました。

職務経歴書は転職活動の「相棒」とまで表現した熱が伝わったはずだと思っています。

マーケティングへのキャリアチェンジを目指す方はもちろん、これから転職を考えている方、職務経歴書の作成に挫折しかけてる方にもお役に立てていれば幸いです!

もし「自分の職務経歴書を添削して欲しい!」というご用命があれば、キャリアコンサルタントへの相談も選択肢として知っていただければさらに幸いです!

 

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